トランプ政権は新型コロナウイルス感染拡大に伴う失業者の増加を理由に、就労ビザの規制強化を決定しました。6月下旬から一部の発給を停止しています。
海外からの外国人が本来米国民がすべき仕事を奪っているため、外国人の就労ビザに制限をかけ、増大する米国民失業者にその分の仕事を割り振る、ということがねらいだと思われます。しかし、即機能するのでしょうか?多分に、鬱積する米国民の感情を抑えるための対策のような気もします。
本日の日本経済新聞朝刊に、在米日系企業961社に緊急調査を実施した結果が掲載されていました。それによると、「米国への赴任に支障が出る」と答えた在米日本企業が308社に上り、駐在員1406人に影響が出るとのことです。
支障が出るビザの種類としては、企業内転勤に使う「L1ビザ」が最も多いとのこと、次いでインターン生などに発給される「J1ビザ」、ハイテクビザとも呼ばれるIT技術者向けの「H1Bビザ」が続いているようです。一方、経営管理者向けの「Eビザ」については、今のところ制限の有無は公表されていません。
在日米国大使館においても、3月からビザの発給業務が停止しているようですが、おそらく年内は停止状態が続くものと推察します。米国では一向にコロナ収束が見えませんからね。
事業活動に影響があると答えた企業は意外にも少なく全体の35%、影響がないとする企業は51%でした。個別には、人事異動が凍結することによる人事戦略への影響、現地法人の立ち上げの遅れに伴い現地スタッフの雇用の中止等様々です。
昨年末までの状態に戻るには、まだかなり時間がかかるとみておくべき、と考えます。