「海外駐在員」としての私の経験談
海外とはいっても、欧米・アジア・アフリカ・中南米等様々な地域・国がありますので、生活環境や商習慣等の事情はそれぞれ違います。
今回は、30年ほど前にイギリスに駐在した私の経験談をお話まします。
「イギリス」現地法人の様子と私の肩書き
当時私が赴任した現地法人(=英国販売(株))では、総社員約150名のうち、日本人はトップと自分の2名のみでした。
私の肩書きは、トップのアシスタント(Assistant to General Manager)でしたが、対外的に見栄えがよくないので、Deputy General Managerという英語のタイトルにしてました。
タイトルはどうでもいいのですが、要は何でも屋です。
社員の「多様性」
社員は、当然ですが、すべてイギリス人で構成されていました(日本人2名除く)。
ご存知のように、イギリスはイングランド・ウエールズ・スコットランド・北アイルランドで成り立っています。
販売店は全国に渡っていましたので、それぞれの地域で販売員がおりました。
白人系ではなく、アジア系、アフリカ系も居り(特にロンドン地区に多い)、白人の中にはユダヤ系もいました。
人種の違いではありませんが、今で言うところのLGBTの社員もおりました。
当時イギリスは、エイズが流行しており、残念なことに社内にも患者がいたため、その対応に苦慮したことが思い出されます。
まさに、「多様性」の社会を形成していました。
共通語はもちろん英語ですが、各地域、各人種から成り立っていましたので、いろいろな英語が飛び交っていました。
日本人同士でも、そこにイギリス人がいる場合には必ず英語を使用します。
「英語」のおきて
日本人トップもその例外ではありません。もし、日本語を一言でもしゃべったら、即罰金”1ポンド”没収です。
第三者に分からない言語を使ってはいけない、というルールが暗黙ではなく、明示され全社員に共有されていました。
「海外駐在員」の「仕事」とは
以下は私のケースです。
・本社との業務連絡、本社(日本および欧州本部)への報告
・社員の業績査定、悩み相談窓口対応
・日本から来た出張者、日本の重要顧客のアテンド
・各種イベント(毎週末)の企画、運営
・その他現地社員がやりたがらない、やれない仕事すべて
ほとんど週末もなく、イギリス全土を駆け巡りました。
気力、体力、そして家族の協力が必要です。
「外国人と働く」上で大切なこと
現地社員は、駐在員を見ていないようでよく見ています。
現地に積極的、主体的に溶け込み、現地社員とたくさん議論私、共に行動する。誰とでもコミュニケーションをこちらからとり、決して差別や特別扱いをしない、ことだと思います。
私が赴任しえいたような、日本人駐在員の数が少ない現地法人で勤務する場合は、
オンとオフの区別はない、と考えた方がいいでしょう。
いつも日本を見るのではなく、現地に根を張るるもりで、現地社員や現地の取引先から、⚪⚪会社の△△さん、ではなく、一個人としての△△さん、と呼ばれるよう、
自身の存在価値を認められることが大切です。
海外で現地の「外国人と働く」ということは、その後の「人生観」や「仕事観」に大きな影響を与えるほど、非常に貴重な経験といえるでしょう。