今回は、外国人社員・留学生双方へのアンケート結果を紹介します。(出典:2018年株式会社ディスコ調査)
<外国人社員>(n=406)
1.将来日本企業の海外拠点で働きたいから 45.3%
2.日本企業の技術力が高いから 41.4%
3.日本語を使って仕事がしたいから 30%
4.衣食住などの環境が良いから 26.1%
5.日本企業の人材育成は充実しているから 25.6%
<外国人留学生>(n=600)
1.将来日本企業の海外拠点で働きたいから 43.0%
2.日本企業の人材育成は充実しているから 39.2%
3.日本語を使って仕事をしたいから 36.3%
4.衣食住などの環境が良いから 34.2%
5.日本の文化が好きだから 32.5%
1は外国人社員・外国人留学生とも同じですが、2以降は順序が入れ替わっていますね。
ちなみに、外国人留学生が第5位にあげた「日本の文化が好きだから」について、外国人社員では第6位(20.9%)にランクインしています。就職前は、「日本企業の人材育成は充実している」ことが希望動機の上位にあがっていましたが、いざ入社してみると日本人新入社員と同等の研修制度等を体験していく中で、当初想定していた内容とは違っていた、と感じることがあるかもしれません。また就職前は得意の「日本語」を使って仕事をしたい、と思ってはいたものの、入社後はより高いレベルの日本語を要求されることで自分の日本語力に自信が持てなくなったり、日本企業・社会独特のコミュニケーションの分かりにくさにとまどい、悩みを抱えているかもしれません。
一例をあげてみます。導入研修を終えたばかりの日本語検定N1を持っている新入外国人社員が、日本人社員と同等の営業の現場を任されたとします。顧客との商談・顧客の要望への対応、社内の上司・関連部署への根回し等がうまくできるでしょうか?日本語独特の「言葉尻」「言い回し」は、単に日本語が分かる・できる、というレベルを超え、日本の独特の商慣習の背景を”体感的に”知っていなければ、適切に使いまわすことは極めて難かしいでしょう。
ただし、中小企業を中心に多くの日本企業が今後「海外事業」を展開することになるでしょうから、アンケート結果の1に見られるように、日本の本社で日本企業の経営理念・ビジョンをたたきこまれた優秀な外国人社員が、「将来日本企業の海外拠点」において高いモチベーションを持って働いてくれることは、日本企業にとって非常に有益であり、明るい未来が展望できます。
日本企業としては、コアとなる「経営資源」のより一層の差別化・競争優位化、そして「人材育成の強化」は、トップマネジメントのキーとなる要因であることは間違いありません。
行政書士鈴木法務オフィス http://www.suzuki-kokusaihomeoffice.com